倹約遺伝子のはなし

倹約遺伝子と浪費遺伝子

数万年前の旧石器時代、人間は常に病気と飢えとの戦いの毎日でした。

狩りに出掛けても全く獲物を手に入れることが出来ない日が続いたり、悪天候で狩りに出掛けられなかったりと、食べ物を口に入れることが出来ない日が何日もあったようです。

そういう環境が、人間を食べた物を脂肪として積極的に備蓄するように、進化させました。 そして、その進化の遺伝子が、今の私達の体に脈々と受け継がれています。

その遺伝子の名前が「倹約遺伝子」と呼ばれている遺伝子です。


しかし今の私達は毎日、毎食の食事に事欠くことがない状態で、食べ物があふれれ返っている状態です。 食べ物があふれかえる状態というのは、人間の歴史の長さから比べるとほんの一瞬にすぎません。

食べ物があふれれ返っている状態

遺伝子の進化は一瞬の変化に追いつくはずがなく、まだまだ「倹約遺伝子」が働いています。

日本人は欧米人と比べると「倹約遺伝子」を2~3倍も多くもっているそうです。 この遺伝子を持つ人が太ると、心臓と肝臓の周囲に脂肪がたまりやすく、糖尿病や心血管の障害が生じるリスクが高くなります。

「倹約遺伝子」をもっていると、基礎代謝量(人間が1日中横になっていても、必要最低限消費されるエネルギー量)が200Kcalも低くなります。

基礎代謝量が低いということは、一日に必要なエネルギーが少なくて済むと言うことですから、「倹約遺伝子」を持っていない人から比べると、日本酒1合分のカロリーを少なくしないと、釣り合いがとれません。

余った分のエネルギーの殆どが脂肪細胞などに備蓄されます。


逆の「浪費遺伝子」というのもあるようです。

いくら食べても太らない人。

この「浪費遺伝子」を持った人は、基礎代謝量が200kcal高いようです。

車にたとえると「倹約遺伝子」は燃費がいい車、「浪費遺伝子」は燃費の悪い車になりますね。

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